事業計画書とは

事業計画書は、これから御社が起すビジネスの計画であったり、この計画書で人を集めたり、お金を借りたり、出資してもらったり、事業提携したりと様々な経営活動を行なっていきます。これらの活動を成功させるためには、事業計画書を第三者が見て「なるほど!これならいける」と思ってもらわないといけません。そのためには、収支計画が必要になります。つまり、いくら売上がありいくら利益を出すかの計画です。そして収支計画の裏づけとして、なぜそのビジネスが必要なのか?ビジネスの市場規模はどれくらいなのか?どうやって商品を売る(あるいはサービスを提供するのか)などをわかりやすく書く必要があります。
大きく成長した事業も、最初の出発点は、ちょっとした閃きであったはずです。
最初から完成された事業計画書が用意されていたわけではありません。
企業家が閃きや勘を信じて、事業をスタートするのは誤ったことではありません。
ただ、閃きのままで事業プランを整理せずに、事業を開始すると、事業はほとんどの場合に失敗します。
市場ニーズが実は思ったほど強くなかったり、競合が予想より強かったり、あるいは、投資がおもったよりもかさんだりとさまざまな障害にぶつかり、あっという間に資金不足に陥ってしまうのです。
ですから、新規事業をはじめたり、事業の方向性を大きく変えたりするときには、最初の閃きを深ぼりしていく必要があります。
まず、事業計画書の基本コンセプトについておおまかな仮説を立てます。
考えなければならないのは次の点となります。
1.どんな市場ニーズにターゲットするのか
2.いかに競合他社に差別化するか
3.商品・サービスの具体的設計
4.予想される市場規模
5.資金繰りは可能か
仮説検証プロセスで、とくに重要なのはターゲットとしている顧客ニーズの検証です。
さまざまな潜在顧客にじかにあって潜在顧客の気持ちや感情を理解するようにしてください。
お客様が具体的に商品やサービスを買う場面を想定して、求めているベネフィット(便益)や、購買の意思決定をするときに重視している要因などを十分に理解するようにしてください。
仮説を検証したら、次に事業計画書のたたき台を作成します。現在はネットでさまざまなテンプレートがダウンロードできますが、必須項目は以下の通りです。
1.会社プロフィール(代表者経歴・ノウハウ・スキル・資格)
2.事業コンセプト(事業内容のタイトル・自社の使命・なぜこの事業を行なうのか)
3.社会的背景(社会情勢・政治情勢・経済環境・技術革新・市場規模等)
4.商品・サービスの説明(価値・価格・顧客のメリット)
5.ターゲット(誰に・何を・どうやって・商圏)
6.競合他社比較(誰に・何を・どうやって・商圏・強み・弱み)
7.自社の強み(社内体制・組織図・技術、スキル、ノウハウ、資格、組織力、企業風土)
8.販売戦略(販売方法・マーケティング・アクションプラン)
9.財務計画(売上・原価・人員・設備・利益・資金調達方法・ローカルベンチマーク)
10.ビジョン(3~5年後の財務計画)
事業計画書を読む人は、あなたが行なうビジネスの専門家ではありません。ですので、専門用語はできるだけ避けて書くことも必要です。つまり、事業計画書は、いくら儲けるのか?儲けるためには何をするのか?をわかりやすく書いていくのです。

そして良い事業計画書にはそれ以外に『3つの要素』が備わっていると言われています。
もちろん見やすさ・読みやすさに配慮するのは当たり前として、以下の3つをいかに取り入れるかを考えることをオススメします。
その1.事業を3分で説明できる

これから立ち上げようとしている事業だけに、込めた思いは相当なものでしょう。相手を説得するにはもちろんスジの通った数字のロジックは必要ですが、それと同じくらい「明快に物語れるか」も重要となってきます。
何十分でも何時間でも語れるかもしれませんが、残念ながらそこまで気長に話を聞いてくれる人はいません。相手がしびれを切らさないうちに、自分の事業について伝えるのに与えられた時間は、およそ3分。たったこれだけの時間で相手に興味を持ってもらわなければなりません。
そこで必要なのは、事業立ち上げの経緯や儲けのしくみ・市場分析に提供サービスの概要など、あらゆる説明項目に要約を設けること。長くなりがちな事業計画書も、サマリーだけ読めば大体わかるようにしておけば、相手の理解を早めることができます。
説明できない・しにくいことは、伝わりません。まずは理解させることから始まります。
その2.実行計画が明確

当たり前の話ですが、計画は実行されなければ価値はありません。
だから、「いかに計画が優れているか」が評価されることはありません。計画が優れているということは、結果ではなく前提に過ぎないのです。
事業計画書に書かれる未来の内容は抽象的になりがち。仕方のない面もありますが、その計画を成し遂げるために、「いま何をすべきなのか」が書かれていない計画書は信頼されないでしょう。
先ほど要約を設けることが重要だと述べましたが、それに加えて「アクションプラン」が書かれている事業計画書こそ、信頼に値されます。
その3.論理的な計画書より、徹底的なテストマーケティング

ある程度論理的に書かれていることは前提となりますが、しっかりとしたロジックを立てつつも、それがあくまでも仮説であることを前提としていなければなりません。
いろんな仮説を立てている中でも、大きく外れやすいと言われるのが「売上」について。これは市場の分析やマーケティング戦略が、まだまだ仮説段階にあるからと言えます。そういった状況下では、より信頼が置けるテストマーケティングをオススメします。
テストマーケティングとは客観的な情報としてファクト(市場の規模や売上高・ライバル企業の数字情報など)を収集し、それをベースとした商品やサービスをミニマムでテストすることで、商品・サービスに需要があるかどうかを検証することです。
事実は仮説よりも強いもの。動かしようのない客観的事実を知った上でこそ、立てた仮説は価値を持ちます。要約に客観的事実(主に数字)を入れこむことで、よりよい事業計画書となるでしょう。
事業計画書は苦手?

いざ事業計画書を作成するとなると、初めて作成する方にとっては、かなり時間がかかります。
普段の業務が忙しく、なかなか手が付けられないといった声もよく聞きます。
そして、事業計画書を作成してほしいというご依頼はかなり依頼の相談があります。
「銀行から事業計画書を作ってほしいと言われました。作ってくれませんか?」というような依頼です。
ただ、残念なのは、すべてを丸投げしようとする社長が多いのです。
「適当に簡単でいいから、銀行受けしそうな感じでお願いします」と言われます。
確かに、事業計画書のひな形・テンプレートは難しそうで、何枚もあるものが多く、見るだけで作成する気がなくなってきそうな感じです。また、文章を書くのが苦手という方もいらっしゃいます。

しかし、やはり事業計画書は社長を中心に社内で作り上げるものです。そして、それをサポートするのがコンサルタントだと思います。文章を書くことが苦手なのもお手伝いします。
それと、事業計画書は作って終わりではありません。自らで考えた計画を計画書としてまとめ、それに従って実行し、計画通りだったのかそうでないのかその原因を追究し、再度改善策を実行することが大切なのです。
だから、事業計画書は社長を中心に社内で策定する必要があるのです。コンサルタントの仕事は計画策定や実行がスムーズに行くようお手伝いすることだと思います。
コンサルタントや士業の中には、計画書の作成をすべて引き受ける方がいます。経営者からしたらそういう専門家に依頼する方が楽でしょうが、そのことによって経営者は自社に対する危機感や問題意識を持てなくなってしまい、結果として経営改善は遅れることが多いのです。

事業計画書を書くのが苦手なら、社長の頭の中にある具体策を教えてくれれば、コンサルタントがまとめます。金融機関の担当者にうまく説明ができないのなら、説明の補助も行います。
これまで申し上げたように、社長を中心に社内で事業
計画書の作成や実行を行い、その支援をコンサルタントにしてもらうようにして下さい。時間と手間はかかりますが経営改善の近道となります。
しっかりと事業計画書を策定するメリット
事業の方向性を検証できる

成功への情熱を強く持って開業しても、経営がうまく行かない場合もあります。その原因は様々ですが、その多くは事業計画書を作成せずに無計画に自分の思い入れだけで開業したケースや、事業計画書を作成する過程での検証が甘かったケースです。
事業計画書をしっかりと作成していれば、トラブルを事前に回避できたり、不慮の事態が起きても、金融機関や周囲の協力を得られることができます。

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